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2009年10月15日

アート茶室制作1日目

 

さて、今日明日の予定で「せんだい・市民の森を創る会」のみなさんが管理するこの「仁田谷地・市民の森」にアートな茶室を制作したいと思います。
プランはこちら

 
朝5時起きでアトリエでいろいろ準備し、ようやく森に入ったのが11時前。
けっこう人が来ていて、つくったり、お話をしたりしています。



先日、訪れたときにつくっていた高橋健太郎さんやせんだい・市民の森を創る会のみなさんの、森の木を使った作品もできあがったようです。


大場順一さんは今回も大きな穴を掘っていました。


さて、「アート茶室」の設置ですが、当初は広場のように使われているエゴの木、通称シャンデリアの木のすぐ横に建てる予定だったのですが、森の入り口からそこへ至る途中に、ふと光のあたる平らな空間を見つけました。道はないのですが、それもまたいいように思い、そこに建てることにしました。



ということで制作開始です。
プラスティックダンボールでつくった「箱」を積み上げて壁をつくっていくのですが、「箱」の3分の1は今回のために用意した無地のもので、残りの3分の2はこれまで各地でつくってきたものです。


赤は北海道岩見沢から、緑は船橋、黄色は宮城県古川、白はおもに松本そして仙台からです。
それぞれ、おみこしや城、船や牛など、さまざまなものをつくるのに使ってきました。
そして今回は仙台の森で茶室。


公民館の方も視察にやってきてくださいました。


この「仁田谷地・市民の森」は、仙台市が進める「百年の杜」という事業の中で開かれた「里山講座」に参加した方たちが、講座終了後にも継続して何かをしたいということで、仙台市所有のこの森を借り受け、5年ほど前から手入れを行ってきた場所です。
毎月二回、下草刈りや間伐を行ってきた結果、実にいい森に仕上がり、市民のみなさんにも森を体験してもらえるようになってきたので、何かいいアイデアはないかとアートフェスティバルをやってみることになったわけです。

代表の上原さんは、近代以降、西洋型の都市公園ばかりが増えてしまったが、これからは日本独自の公園のあり方を提案していくべきだと言います。この仁田谷地の森は、仙台市中心部から車で20分あまりの場所にあるにもかかわらず、自然林がのこる「自然公園」です。
正確には市から公園に認定されるには至っていませんが、これからアートをはじめ、さまざまな切り口でこの場を市民参加の場にしていき、日本の「公園」のあり方を考えていきたいとのこと。実にすばらしい考えだと思います。
かなり趣は違いますが、札幌市郊外にあるイサム・ノグチが生前にグランド・デザインを行ったモエレ沼公園に行ったとき、そこがアートをはじめとしたさまざまな切り口で市民が企画を行っていく市民参加の場になっていることをお聞きし、とてもびっくりしたのをおぼえています。
東北のもつ風土や文化、自然といったものをいかしながら、この土地独自のルーツにもとづく「公園」を考えていけたら、本当におもしろいことになると思いました。



午後になるとだんだん森にいた人たちが一人帰り、ふたり帰りし、いつしかひとりだけになりました。
いつも協働制作スタイルで、わいわいと、時に戦争のようにつくるわけですが、今回は森の中でひとり静かにつくっているので、ひとつひとつながめ、それぞれができたときの思い出にもひたりつつ、ゆっくり制作。思えば、こういう風につくるのははじめてかもしれません。
ひとつひとつの箱にいろいろなものが立ち上ります。こういうのもいいですね。


蚊の大群に悩まされながら、5時近くまでがんばって7割くらいまでできあがりました。
あとは明日つづきをやります。蚊取り線香ももう売ってないかもしれませんが、どこかで調達してこようと思います。
ではまた明日!

門脇篤